この時期、必ず会う地主のおじさんが

今年の大雨が他人事でなくて、ここでもいつ土砂崩れが発生するか気が気でないとおっしゃっていた。

 

後継者不足で、まったく手入れできていない杉や檜の植林された斜面が、いかに脆弱な物なのかということを、やはり一番よく知ってらっしゃるようだ。

それでなくても根の浅い針葉樹なのに、間伐できてない、ヒョロヒョロの針葉樹林など、あっという間に表層の土砂もろとも崩れ落ちてしまうということだ。

 

 

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クロヒカゲモドキ

昔、政府から補助金がザクザクもらえたので、雑木は全て炭にしてしまい、後に未来の住宅建材になるはずの杉を大量に植林したのだ。ところが、植林杉が建材になる前に、住宅建材は安い輸入材が主流になってしまい、国内の杉は不良債権化してしまった。伐採して売っても赤字なのだ。なので、値段が上がるまで伐採せずに置いておいたら、今度は後継者がいなくなって放置するしかなくなった。

 

こういったことで、四国の7割の山は一旦禿山となり、そこにあった自然は消滅している。一度消えたら復活はほとんど期待できない。四国には自然なんて、ほとんど残っていない。しかも、どこもかしこも土砂崩れの危険に満ちている。

今年もなんとかクロヒモに会えたけど、来年はどうなることやら・・・。