お役所仕事も
結構役に立っているようで、近頃、生き物が戻ってきた場所がある。
徳島県の霊峰高越山。その船窪という場所からの眺望。画像の左1/3ほどに見える、山頂が少し雲に隠れている山が、高さ西日本第二位の剣山。
この保護柵のおかげで生き物たちが帰ってきた。本当にシカの食害は相当に酷いらしい。
保護柵の中でしか見られなくなった超普通種のウラギンヒョウモン。柵の外は地肌がむき出しの地面が広がり、杉の幹が茶色の地面からそそり立っている景色が広がっている。
緑の草原は柵の中でしか存在できない。しかも、そこに戻ってこられるのはもともと個体数の多かった普通種だけで、希少種はそのままいなくなってしまうのかもしれない。
平地の草原は人間による開発で消滅し、山間部の草原はシカやイノシシの食害で消滅しつつある。天敵がいないうえに猟師もいなくなりつつあるので、もう、どうしようもないのだろうか。
大・中・小
今年も出会えたでっかいヒラタクワガタ。迫力あるわぁ。
去年もそうだったけど、曇りで薄暗い日は、日中でも割と動いているのね。
地面に落ちた後の怒りのポーズ。惚れ惚れするなぁ。それにしても、頭でっかちの、このボディーバランスなのに、しっかり空を飛べるのだ。物理を無視してるとしか思えない。
うろの中では、これまたでっかいコクワガタ。先ほどのヒラタよりほんの少し小さいだけだ。しかし、線の細さは否めない。そんなこと彼にとっては余計なお世話なことだけど。
ズボンにしがみついていた小さな黒い物体があった。思わず手で掴むと、小さな甲虫。どうせ何とかゴミムシの類だろうと、適当に写真を撮ってクヌギの根元に優しくそーっと放り投げた。
後で画像を確認したらチビクワガタだった。
あっというまに8月が過ぎてしまった。徳島のシーズンはほぼ終了。「不要不急」の定義は個人で決めることとオリンピックの大臣が言っていたが、まあ、虫の撮影での個人的な旅行なんて、誰が見ても不要不急ということになるだろう。ということで県外にはどこにも行けないので、これからしばらく2021年7月と8月の思い出話が続く予定。
1つ多いのが2つ。3つと4つ!
上翅裏面の眼状紋が四つのクロヒカゲモドキ。複雑に絡みながら繁茂しているカヤの奥に佇んでいた。
こっちは眼状紋が三つのクロヒカゲ。
なんだか、ちょっとだけ得した感じ。
久々に、今年のウツギの花は
多くの蝶で賑わっている。
特に珍しいのはいないけれども、それで良い。
近場の山で、ミスジチョウがウツギに来ているのを見たのは10年ぶりくらいだ。
寂しい話だけど、それくらい減ってしまった。
低地のウツギはそろそろ終わり。これからは少しずつ標高を上げていく。それに合わせるように、山ゼフの季節がやってくる。